聞くことが楽しくなるカウンセリング講座(その6)

聞くことが楽しくなるカウンセリング講座講師の上田正敏です。

聞くことは簡単そうに見えて実はとても奥の深いこと。

聞くことができると今まで見ていた世界が変わります。

プロの心理セラピストとして現場で活用している技術からあり方まで100%お伝えしていきます。

 

前回は聞く時のメンタリティについて語りました。 

第6回目は聞き方の理論的なことを考えてみます。

演劇の世界を知り、書き言葉と話し言葉の違いを知り、話し言葉にもたくさんの種類があることに驚きを覚えました。

劇作家演出家の平田オリザさんの著書である演劇入門は、演劇の本ながらに人から話を聞くことが大切な職業にオススメな1冊です。

演劇入門に話し言葉の地図があります。

「意識」という視点で話し言葉を分類されています。

上に行くほど意識的に話をしていて、意識しているとは、簡単に言うと「話す前に、どのくらい話す内容を決めて話しているか」の違いだそうです。

その一部を抜粋します。

  1. 演説 (address)
  2. 談話 (speech)
  3. 説得・対論 (debate)
  4. 教授・指導 (teach)
  5. 対話 (dialog)
  6. (挨拶) (greeting)
  7. 会話 (conversation)
  8. 反応・叫び (reflection)
  9. 独り言 (monologue)

上から下に社会的な話し方から個人的な話し方になっています。

人の話を聞く人が使う言葉は、(4)教授・指導から(9)独り言です。

 

強引に分けるとすると

コンサルティングは(4)教授です。

カウンセリングの場合は(9)独り言です。

コーチングは(8)反応・叫びです。

 

(5)の対話は非常に難しい扱いです。

使っているけれど必要不可欠なものでもないのです。

対話はお互いの中で共感が生まれて新しい価値が生まれるのが対話だからです。

インタビューや対談は、この対話が起こらなければつまらないものになる場合も多いです。

僕の好みは分野が違う人たちが対話をすることで、何かが生まれることに価値を感じるからなんですね。

 

(7)の会話はわかりあっている人たちとの話し方です。

お互いがわかっているからこそ、必要最低限の言葉のやり取りになります。

「あれどこいった」

「あぁ、あれね。」

で話がついてしまう。

第三者からはわからないのが会話だったりします。

 

他人に話をする人が苦手な人は、この会話しかできていないからだったりします。

自分のことをわかってくれる人としか話すことがないからです。

前提を説明しなくてもわかってくれるから話す必要がないからです。

文脈を理解してくれているし、コンテキストが同じだと説明は不要になります。

社会的になると前提条件が変わります。

初めから全部話をしないと伝わらないことがでてくるのです。

これはだんだんと大人になる過程で、自分と知らない人と話す機会が増えていくと自然に身につく場合もありますが、意識しないと身につかないところでもあります。

 

日本は明治になるまでは、同じ土地で生まれて同じ土地で死ぬ人がほとんどでした。

人間の移動は、ほぼなかったのです。

そうなるといちいち自分のことを説明しなくても、みんな自分のことを知っている人たちばかりだったのです。

言葉によるコミュニケーションは最低限で良い社会でした。

ところが鉄道が走り、車が走り、多くの人が移動できる社会になりました。

生まれた土地が違えば、言葉も違うし、文化も違う。

そこで混乱が起きるので、標準語が生まれ、全国放送や教育が同じように行われるようになりました。

 

さらに今は国際社会になり、他の言語があり、他の文化あり複雑になっています。

日本も成熟社会になっていき、みんな同じから、みんな違うという多様性の生活増えてきています。

日本人というだけでわかりあえると信じていた時代が終わりました。

お互いの当たり前が当たり前ではなく違うものになってしまったのです。

だから今、コミュニケーションが大事だと言われているのです。

 

ちなみに夫婦というパートナーシップもコミュニケーションが重要です。

大好きという恋の時代では、相手のことが見えているようで見えていない。

結婚して共に暮らすと自分と相手の違いが見えてくる。

自分の当たり前が相手の当たり前と違うことに呆然とします。

違いが我慢できずに離婚する人もいるくらいです。

例えば、歯磨き粉のチューブを、真ん中から絞るか、端っこから絞るかで大げんかになることもあるんですよ。

成田離婚なんてのも流行った時代があるのは、お互いの違うを受け入れることができなかったんでしょうね。

 

僕のセッションでは、初めて会った方にはカウンセリングの時間を長く取ります。

それは、相手の話している日本語の文脈を理解するためです。

同じ日本語でも意味が違う場合がありますからね。

どんな言葉を話し、どんなことに価値を感じ、どんな思考を持ち、どんな振る舞いをするのか。

相手と調和をするためなんですね。

 

長くなってきたので、次回に続きます。

話し言葉の地図から聞き方の地図を作ります。

英語だとlistenとhearです。

日本語だと聴くと聞くです。

言語って面白くて決して同じ意味ではなくブレがあるのです。

文化的な微妙な差があるのです。

これを話し言葉と合わせて新しい分類を試みます。
■ソース ワークショップ
好きなことを仕事にし、好きなパートナーと共にいて、好きなライフスタイルを送るためのワークショップです。
ワクワクという自分だけが持つ才能であり個性を見つけていきます。
自分自身がどんな人間なのかを知り、それを人生に活かす方法を学びます。
http://www.yoriyoku.com/source/

■個人セッション
頭とハートをつなぐことで本当の自分が見えてきます。
自分を知り、自分の才能を磨き、生まれてきた目的が見えてきます
自分自身との対話をサポートします。親子関係、人間関係の葛藤も解消します。
http://homepage2.nifty.com/f-style/session.htm

■ライフチェンジプログラム
人生をスムーズに変えたい局面にいる方を個別にサポートします。
体系的に自分自身を見つめることで在り方が変わり未来が変わります。
自分らしく生きることを選びたい方にオススメです。
http://homepage2.nifty.com/f-style/lifechangeprogram.htm

■セラピスト起業コンサルティング
10年愛されるプロのセラピストになるための個人向けサービスです。
セラピストなど相談業向けで独立起業したい方向けのプログラム。
自分らしく確実に起業したい方にオススメです。
http://homepage2.nifty.com/f-style/enjoystarbusiness.htm


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください