元島道信先生が開発した人類再進化プログラム『ファンダメンタルシステム』を受けてきました。
簡単に言えば、生物が誕生してから人間になるまでの進化の過程を、実際に体を動かして体験するプログラムです。時間軸でいえば5億年前からの進化を再体験します。
実は僕たちはこの進化の体験をすでにしているのです。受精卵から胎児になるまでにこの旅をしていると言われています。その過程で、アメーバーから、魚類になり、両生類になり、爬虫類になり、哺乳類になり、類人猿になり、人間になっていきます。そう、十月十日をかけてお母さんのお腹の中で体験をしてきたのです。
この進化を1日で体験するという刺激的なプログラムでした。
率直な感想は面白かった!という一言につきます。頭で理解するのではなく体で体験を通じて腑に落ちる感覚が最高でした。僕は知識よりも体験を通じた気づきが欲しいのです。誰かの言葉ではなく自分の言葉で理解したいのです。
しかも集まってきた人たちはマニアばかりです。総合大学の大学院で学んでいるかのような感覚になります。様々な分野の人たちが、様々な視点で話をするので、起きていることを立体的にみることができます。それぞれの気づきが違うのでそれが統合されていくのは僕が求めている学びのスタイルでした。
しかも懇親会はアカデミアみたいな感じだったのです。美味しい料理と共に専門的な話が飛び交い、知的好奇心が満たされました。みなさん身体の言語化が素晴らしく、人間って面白い!という感覚を思い出させてくれました。
この学びはリベラルアーツですね。一般教養として全人類に体験してもらいたいプログラムです。体って適当に動かしても使えるものだけれど、体系的に動きの歴史を体験することで体の使い方を覚えることができます。この基本をベースに、運動、芸術、医学、哲学、科学を組み上げていくことで、それぞれがそれぞれの方法で人間とは何かを学ぶことができる可能性が高いからです。
講師の元島先生、主催の牧さん、参加者の皆様方、ありがとうございました。
以下は僕の中での学びのまとめです。 長くなるかと思いますが興味がある方はどぞ。
参加した動機
元島先生とは、徳山で開催している歯科の先生たちに向けて開催している心理学セミナーや個人セッション を受けてくれたことからご縁が始まりました。僕の提供している個人セッションやセミナーの基礎となっているボディ・マインド・スピリットをひとつにするセラピー「スリーインワン」と先生が学んできたシステマの考え方がとても似ていたこと。
僕が大好きな本「内臓のはたらきと子どものこころ」の著者である三木成夫先生の影響を受けていること。僕はこの本から「心」について理解を深めて理論体系としてまとめなおしました。元島先生はそれを体に応用していることにとても興味を持ったのです。
また最近受講したSHINOBI にも参加していたりして、興味を持つことの共通項目が多く、一度、学んでみたいと思って参加しました。
学びメモ
一番最初が一番怪しいことをしました。2人1組になって、一人が相手の手を押さえ込むのです。押さえ込まれた人は、リアルにイメージをしてみるのです。例えば楽しかった思い出だったり、昨日食べた美味しいご飯だったり、今日来た道をイメージするのです。できるだけリアルに。そうると、手を押さえていた人の体が動き出し、転んだり、跳ね飛ばされたりするのです。よく合気道などでみる所作です。これは正しい動きができた時に、人は跳ね飛ばされるのです。これから行われる動きができているか、できていないかの指標となるチェックの方法でした。面白いです。
指しゃぶり。親指の根本を唇でしっかりと咥えて、親指全体を舌で包み込みます。親指の爪を噛むようなおしゃぶりではありません。赤ちゃんがしっかりとおっぱいを飲むようにお母さんの乳首をしごくようなおしゃぶりです。「あっ!なんか懐かしい」という感じになりました。必死におっぱいを飲んでいたイメージが湧いてきました。これをやった理由は、内臓をゆるめるためです。舌と内臓はつながっているので、舌をこのように使うと内臓がゆるむのです。これも2人1組になって、寝ている人が指をしゃぶり、もう一方の人が動けないようにお腹をグーで押さえました。指をしゃぶって、体をねじると不思議と握り拳がはずれるんですよね。
魚類の動きです。Iの字に寝て、Cの字を書くように体を横に曲げて転がるのです。体をくねると言ったらいいかな。体を捻るのではありません。側面だけ動かすだけで回ることができます。この動きが気持ち良いのです。あぁと思っているうちに回ることができます。もう頭で考えるのはやめました。ただマネてやっているだけで気持ちが良かったなぁ。
これは両生類の動きでしょうか。ハゼの動きをやりました。肩甲骨の横に手を置きます。ちょうど乳首の辺りです。肩の力を抜いてプッシュアップを軽くします。腕の力というよりも肩甲骨で体をちょっとだけ持ち上げる。持ち上げた分だけ前に落とす。字で書くと難しいのですがやってみると簡単です。しかも背中に人を乗せてもこの動きで歩くことができます。不思議とフルパワーで持ち上げて前に進もうとすると全くできないのです。小さな動きを連続しようとすると自然と前に進んでいく。なんじゃこりゃの世界です。
肘を90度に曲げて持ち上げます。肩の高さに肘があり、その肘の上に手があるようなポーズです。魚なのか蛙なのか、背骨を軸として右手を上にしたら左手は下のように動かします。手は万歳のような形は崩しません。この時に肘から肘は一本の棒をイメージします。まるでヤジロベェのように動かすのです。体の軸はまっすぐでね。肩甲骨って浮いている骨なんです。肋骨の上にただ乗っかっている骨。なめらかに動くのが普通なんです。肩こりの人の多くは癒着して固まっているかもしれません。だから肩甲骨はがしなんてものもありますから。この動きはどの肩甲骨はがしのワークよりもパワフルでした。自発的に正しく動かすことができれば、自然と身体は動き出すのです。肩甲骨と肩甲骨は寄せた方がひとつになって動かしやすかったです。しかも後ろに引き気味で。肩のゴリゴリしていた部分がどんどんスムーズに動くようになりました。
この頃から気づき始めるんです。ワークそのものがつながっていることを。前のワークができたら次のワークができるのです。これが人類がたどってきた過程かと。もちろん人により得意、苦手があるんだけど、これは今世で使ってこなかった代償かもしれません。使えば動くようになるはず?!
動きは爬虫類に入ります。腕をより動かしていきます。あぁ、これも誤解なきように言えば、腕を動かすのではなく肩甲骨を動かします。腕は肩甲骨の間から伸びているイメージが重要です。胸の下に手をグーでくっつけます。右肘、左肘、右肘と交互にだすことで前に進みます。背骨がクネクネと左右にしなりながら前に進んでいきます。これ気持ちよかったなぁ。気持ちが良いとはうまく動いている証拠です。
さらにここに足の動きを加えていきます。ガニ股ですよね。この時に足の付け根は何処かというと仙腸関節です。つまり骨盤と背骨がくっついているところです。だんだんと爬虫類の動きっぽくなっていきます。
さらに舌の動きも使っていきます。手足の動きと同時に下も左右に振るのです。振るといっても口の中をねばっこく動かします。重い動きですね。パントマイムをやっているような動きです。ここまでするとみんな本物のイグアナです。部屋の中はガラパゴス島状態です。みんなエサを見つけたイグアナのように畳の上を素早く歩いているのです。これは圧巻な風景だったなぁ。
午前中の最後に、横隔膜を動かすワークをしました。ヨガの人がお腹を引っ込めているようなポーズあるでしょ。あれです。正確に言えば横隔膜を上に引き上げるのです。この時に肩に力が入っちゃうとダメなんです。肩の力では横隔膜を動きません。逆に動きを止める役目をします。何事も肩に力をいれたらうまくいかないのです。なんとなく横隔膜の動きを感じられて終了です。
お昼はフォーを食べてご機嫌に。治療家さんチームに入れてもらい色んな話が面白くてワクワクが止まりませんでした。
エリマキトカゲの動きのように、足の内側で相手の尻を蹴るワーク。最初は膝がお尻に食い込み痛い思いを(笑)ちょっとした動きの違いで別物になる体験をしました。これお尻を蹴ることが目的ではないのです。仙腸関節から足を円を描くように動かすことができれば、相手は浮き飛ばされて、障害物がなかったように歩くことができます。この頃から、どうも脊椎動物は直線ではなく円の動きをするのが正しい動き方ではないかと思い始めました。
ここから肩甲骨ではなく、前鋸筋を意識したワークに変わっていきます。肩甲骨を動かすのに重要な筋肉である前鋸筋って脇腹にあって、動かしている意識を持つのが難しい筋肉。膝を90度について肩甲骨の下にグーを作ります。グーという拳を作るのは、パーよりも手首が楽で動かし易いから。人体は物理でできていることを感じます。その状態で、肩甲骨を寄せたり、広げたりすることで、体を上下に動かします。これ背中に乗ったのですが、ロデオ状態です。振り落とされるくらいに荒ぶる動きです。そうこれは哺乳類の動きです。特に馬っぽさがありました。
太陽礼拝です。今までは背骨を横にうねるような動きです。魚の時からの動きです。ここからが哺乳類の動きです。背骨が前後にうねるような動きに変わります。横からライオンが獲物を襲う時にような動きです。チーターが走っている時のような動きです。猫科の動物の背骨の躍動感はたまらないです。太陽礼拝も肩甲骨と骨盤を意識します。背骨にくっついているのが手と足だからですね。体を支えたり持ち上げたりするのに肩甲骨を動かすために前鋸筋を意識します。この動きができれば、筋トレからストレッチに動きの質が変わります。つまり力で動かすのではなく流れで動くようになるのです。太陽礼拝の動きは背骨を前後にしならせます。これがひとつのポイントですね。猫科動物になります。このしならせる感じが哺乳類の動きですね。太陽礼拝は毎日のワークに取り入れて欲しいとのこと。今日やった中では一番重要な動きなんだそうです。きっと人間になるために必要なんでしょうね。
そして霊長類の世界に突入します。哺乳類が木に登ると霊長類になります。イメージは手長さるです。腕を使って木から木へと軽快に移動します。そう、動きはぶらさがる運動です。何かにつかまってぶらさがることにより肩甲骨や上半身をゆるめていきます。ストレッチをすることで背中をゆるめるということですね。ぶらさっていてもリラックスしているから移動できるのです。
さらに、ぶら下りながら、腕の前を伸ばしたり、横を伸ばしたり、後ろを伸ばしたりします。するとどうでしょう。腕が弓のようにしなります。槍を投げたりする動きになります。肩甲骨から動かすことによって、肘から上は鞭のようにしなるように使えます。ここでも肩甲骨なんです。さらには恥骨にまでつながるフロントラインを意識します。いつでも動く時はリラックスなんですね。体をバネのように使うんですね。これも反射のひとつなのかもしれません。
このぶら下がって木と木を移動する上半身の動きから歩きました。足から動くのではなく、肩甲骨から動くのです。背骨は軸として肩甲骨を回転させるのです。ここでは、類人猿は4つ足から立ち上がったのではなく、木からぶらさがって足を地についたと考えます。つまり、サルやゴリラとは違う立ち方をしたのではないかと考えているのです。手で木にぶら下がって、足を地面についたら立てたと。上半身の動きを下半身に伝えて歩きます。今までの歩く概念が壊れました。なんじゃこりゃ、でもありだよねという動きです。動きとしては、指を鳴らしながら歩くみたいな、スピードスケートの滑りみたいな歩きみたいな不思議な動きです。
その後に外側の動きではなく、感情を扱うワークも。これは僕がしているセラピーが感情を扱うものが多いせいか、思い込みがあるからか、イマイチわからない面も。2人1組で、イライラしている相手を、気持ちが良い自分が癒すようなワーク。自分の良き状態を相手に伝染させるようなイメージ。相手の感情が変わる時には、自分の意図はそこになく、相手との一体感を感じるような異世界に行き、何かが起きて感情のプラスとマイナスが消えていくイメージです。ここは体感よりもイメージが先行している感覚でした。エネルギーワークをやっている感覚でした。
この他にも体をゆすってその感覚を相手に伝えるイメージや、この体をゆするのを自分自身の体が固まっていることをゆるめるのにも使ったり。さらに空間に対してもやったりと、ワークの可能性を感じさせるワークを体験しました。
これで終了!
事前に講義の部分は動画で視聴し、ワーク中心の講座の時間は有意義でした。
ファンダメンタルシステムは、いわゆる協会ビジネスにせずにオープンソースでいくそうだ。これからの多様性の時代にも相応しいシステムで、探究者が集うワークになることは間違いないですね。今後が楽しみです。
ワークのフィジカルな成果
肩こりがなくなり、骨の位置が整った感じがします。 あと、声が気持ちよくだせるようになった!
明日の筋肉痛が起きるのだろうか?お楽しみ。
読んでいただきありがとうございました!
続編
フリースタイルのコンテンツ情報
■個人セッション 自分で選択する人生を選びたい方に。https://www.yoriyoku.com/ ■ハンモックフルネス 日々ゴキゲンでいるために自然の中でマインドフルネス状態になることで心身を整えます。ハンモックの心地よさが評判です。https://www.hammockfullness.com ■ソースワークショップ 人生の分岐点にいる人にオススメのワークショップhttps://www.asobilife.com