地域の物語「3コース合同プログラム上映会&振り返り」

世田谷パブリックシアターで行なわれていたワークショップ「地域の物語」。

3月24日(日)にその発表をシアタートラムで行なわれた舞台映像をみて、振り返りをしようという企画でした。

これでワークショップも終わりであり、それでも人生は続くという始まりであり、自分の姿を見るのが恥ずかしかったり、作品としてみることを楽しみにしていたり、いろんな思いを持ちながら参加しました。

地域の物語ワークショップ2013 3コース合同プログラム「上映会&ふりかえり」

3週間ぶりの再会なのに、もう同窓会の雰囲気ですね。

3ヶ月間の共同制作って学校に通っているように楽しい時間でした。

 

映像で作品をみました。

吉田小夏さん率いるAコース「私の結婚」は、もう爽やか。結婚の光の側面が全面にでてきて、影の部分は笑いなっていて、演劇って楽しいなぁ・・・という感じ。

ワークショップで仮想の夫婦を作り三茶の町歩きをしたりしたそうで、その楽しさが伝わってきました。

 

楠原竜也さん率いるCコース「ふたり」は僕が参加したチーム。抽象的な作品で見る人により感じ方が違ったのではないかと。登場のシーンだけで10分を超えるという緊張と集中を要するアーティスティックな作品でした。

舞台の彼方此方で同時多発的にいろんなことが起きているので情報量にも圧倒。自分が演じている時には他の人たちをちゃんと見ていないからね。感じていたことを視覚化として後から確認すると脳内でいろんなものがつながる感覚が面白い。

それぞれに見せ場があっていい感じでした。

 

瀬戸山美咲さん率いるBコース「100の結婚」は、結婚って何だ?という問いを突きつけられました。この作品が最後だったのでこれを見た観客の人たちはしばらくこのテーマについて考えさせられたんじゃないかと。

ワークショップでは長く連れ添った夫婦、外国人との結婚、同性愛の結婚の取材からリアルな他の方の人生を描くことで、様々なことが見えたんじゃないかなと想像したり。

僕自身は結婚をしたほうがいい派です。共に分かち合うパートナーがいるってとても大事なことだと思っています。色々あるからこそ、色々と思い出ができる。結婚に限らずパートナーシップがあるといいなと思っています。

僕自身の台詞で「人は基本的にひとり。」というのがあります。(自分で作った詩の一節です。)

これは真理だと思っています。これが前提にあるからこそ「ひとり」が手を伸ばしてつながり「ふたり」になるって大事なことになるんですよ。

はっきりとした意志がなければ「ふたり」は存在しないのではないかとさえ思っています。

地域の物語「みんなの結婚」

DVDを見た後に聞いた話では、映像よりも舞台で見たほうが100倍感動したと。

人と人が対峙するというだけで何かがあるんでしょうね。

例えば、匂いとか皮膚感覚を通じての情報の交換を無意識でやっているのでしょう。

 

振り返り。全体を通じた振り返りとグループに分かれた振り返りがありました。

グループは「表現と自分」「結婚と自分」「地域と自分」「劇場と自分」という4つのテーマに分かれて5人グループで。

僕は「地域と自分」というテーマで。理由は、このテーマ以外はすべて振り返りをして自分なりの答えを見つけていたから。

このグループのファシリテーターにはカラダコーチの山田珠実さんが。彼女は去年の『地域の物語~1960年代の世田谷』Cコース「カラダの未来」担当でお世話になりました。たまちゃんは、ファシリテーターとしての視点と進行が素晴らしい。人間力が高く着眼点が斬新で学びが多いのです。ラッキーでした。

地域になじめない感、地域での子育て、おせっかいおばさんが足りない、地域の取材の面白さ、近所の人たちを知りたい知られたくない、時間は短いながらも様々な話ができて良かったな。みなさんそれぞれいろんなことを考えているのが興味深かったです。

僕自身はこの地域の物語に参加したことを、フィットネススタジオのインストラクターの方と話をしたり、お花屋さんに話をしたり、舞台をネタに地域の人たちとふれあう機会がもらえたのが良かったです。

地域の人と地域の話をする機会ってほとんどないことに気づきました。

お店で買い物をしたりしても話をしないものね。

いろんな人に話をすることで、新しい世界が広がるようなそんな感覚がありました。リアルでも数十人。ブログを含めたら何百人の人に地域の物語の話をしたのだろうか。

社会的な活動は口コミで広げることも大事ですね。この口コミそのものも演劇のような気がしています。

何回も伝えることによって自分の中が整理されたり、観てみたいと興味を持ってくれたり、来年はでてみたいという人がいたり、地元でもこんな活動ができたらいいなと刺激を与えたり、ワークショップや舞台以外も劇場になっていくようなそんな感覚。

人生は舞台だ。主役は自分。そんな感覚が目覚めてきました。

 

で、全体を共有する時には、世田谷パブリックシアターWS名物というかなんというかグダグダ感がいっぱいでした(笑)

それもまたらしいんですよね。

ちゃんと全体に話をするにはもっと時間が欲しかったなぁ。1日かけても良かったんじゃないかと。午前中に映像を鑑賞して、午後に振り返りをワークショップ形式でみっちりと。夜は懇談会。そのくらい丁寧な感じもいいな。

 

振り返りの時にずっと考えていた答えのひとつが見えてきました。

それは、プロの役者さんになれる人となれない人の差はなんなのかと。

自分自身を客観視ができるか否か。ということです。

自分の欲求の発散の場でもなく、素人とかそういうことを言い訳にするでもなく、表現をお金で量られる恐怖を感じるとかでもなく、ただそこにいる感じ、そしてそれを観ている自分もどこかにいる。そういうことなのかって。

まぁ、僕が真面目でストイックに物事を考えすぎなのかもしれません。

与える側と受け取る側。どちらも自由に行き来できるといいな。

地域の物語

そして懇親会。いろんなことを話せました。

やっぱり自分たちを労うって行為は重要ですね。

3週間という時間を置いたことで、それぞれの成長も感じられました。

お世話になった進行役のたっちゃんとアシスタントのるいるいには感謝の気持ちとして花束を。

そしてスタッフの方々にもCコース似顔絵を。

地域の物語Cコース「ふたり」似顔絵

似ている似ていないの賛否両論がありますが、それは僕の画力のせいです(笑)

まぁ特徴は押さえているんじゃないかと。

Tシャツ案もでたりして、物を作るって初めの一歩としては、とても大きいものですね。

物があるとアイデアが浮かびやすい。

無形のものばかり追いかけていたけれど、有形のものもいいなと思う今日この頃。

 

これからも世田谷パブリックシアターでしかできないことをやってもらいたいな。

劇場という人が集う場所があることこそが、パブリックシアターの最大の魅力です。

そこに集うアーティスト、観客、ワークショップやレクチャーの参加者たち。

東京にあるものを似せて地方で作ろうとしてたくさんの失敗をしてきました。それでわかったことは、東京は特殊な場所ということ。

その東京の中でも世田谷というちょっと不思議なところでしかできないことをやってもらいたい。

できたら一緒に考えていけたら良いなと思う今日この頃。

 

サンキュー パブリックシアター! サンキュー 愉快な仲間たち!

以上です。

 ■地域の物語ワークショップCコース活動の記録

  1.  1日目 出会うことは喜びである
  2.  2日目 すべてが個性でしかない
  3.  3日目 ハッピーバースディ
  4.  4日目 歩こう!
  5.  5日目 ふたり
  6.  6日目 話を聞けない大人たち
  7.  番外編 インからアウト
  8.  7日目 つながる
  9.   合同 3コース合同プログラム
  10.  8日目 群舞ができた!?
  11.  9日目 グダグダ
  12. 10日目 ルールとインスピレーション
  13. 11日目 作品全体が見えてきた!
  14. 12日目 時間!時間!ダンスの時間!
  15.  補講日 舞台に上がる!
  16. 13日目 舞台稽古と最終調整
  17. 本番当日 「地域の物語」ワークショップ本番当日
  18. 振り返り 「ワークショップ」としての振り返り
  19. 振り返り 「作品」としての振り返り
  20.   合同 3コース合同プログラム上映会&振り返り

<関係先リンク>
■世田谷パブリックシアター
■Cコース「ふたり」地域の物語ワークショップ2013
■地域の物語~みんなの結婚 46名のワークショップ参加者+3名の進行役/演出家/劇作家/振付家による作品


“地域の物語「3コース合同プログラム上映会&振り返り」” への2件の返信

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