幕があがる@地域の物語2024ワークショップ「ラップしようぜ!〜コロナの日々をふりかえる」本番当日@

本番は19時。その前にラップ担当のFUNIさんが10時から稽古場に来てくれるという。もちろん朝イチから参加です。なぜと問われれば、本気でラップに取り組むと決めたからです。本番の舞台に向けて100%コミットすると決めたから。シンプルです。もし、舞台の神様がいるとしたら本気の人に微笑むと思うからなんです。

練習を前にユルユルと雑談から。僕は雑談にこそ、人の本質が表現されると思っているので大好物です。実際に雑談を通じて学ぶことが多いですから。人の話を聴くことは得意なんです。だって、面白いんだもの。興味がつきないということです。

FUNIさんのラップとの出会いだったり、仕事だったり、パートナーのことだったり、家族のことだったり、色々と教えてくれました。FUNIさんは聞けばなんでも教えてくれるオープンな人です。特にラップ・ワークショップをなぜ開いているかの話は感動的でした。自分自身の表現に限界を感じて、多くの人の表現をひきだすことに意味を見つけた話は感動的でした。

FUNIさんはワークショップ中はどんなラップでも「良かったです」という肯定的な人なんです。でも、少人数の時には「もっとこうしたらいい」ということも教えてくれます。よりちゃんとアドバイスが欲しい時には「もっとキレがあるように歌いたい」など具体的なリクエストをだすと教えてくれます。

少人数の練習では、他者のラップを聞いてフィードバックをするのが一番の勉強になります。MCレディーホープと僕はアドバイスをよくします。そして笑って話したのは「自分で自分のハードルあげているよね」「ブーメランになって自分に返ってくるよね」ということで盛り上がります。

つまり、他者にアドバイスをするということは、自分自身もアドバイスと同じことをやれという意味なんです。自分自身にアドバイスをしているのと同じなんです。

誰か他人を褒めるということは自分自身を褒めることにつながり、他者を批判するということは自分自身を批判していることと同じなのです。

朝練の仲間たちは、お互いに良かった点をシェアしたり、もっとこんなチャレンジをしてみたらということをシェアしたりするので、仲間で相乗効果で上達していくんですよね。それを間近で見聞きできたのは、今回のワークショップで得たことですね。昨日のゲネの時よりもみんなのラップがさらに良いものになっていたんです。

これは個人の練習というよりも共同練習になり、切磋琢磨してみんなのレベルが上がっていきました。ワークショップって個人作業よりも集団作業を大事にすることが多いです。グループの一体感が増していくのを肌で感じました。僕はこの事前に集まった人たちが全体の成功を導いたのではないかと思っています。参加者側から良き場に貢献したと思っています。よきよき。

僕はフリースタイルの練習をしました。決まったラップのところはそのままで、フリースタイルの部分をその時の感情でラップするということを何回かしました。そう、フリースタイルなので毎回歌う歌詞も違えば内容さえも変わっていきます。頭に浮かんだことを口にする、口が動くままにしていることを楽しむ感じなのです。即興性が優れているんです。逆に適当なことを言うのが苦手で、きっちりと台本を書き、そのように演じることが得意な人もいます。参加者は、みんな個性的な人たちなので、何が優れているのか違うのです。お互いを尊重しあえたにはラップの世界にある尊重しあう文化があるのでしょう。

ぼちぼちと人が集まっていき、それぞれが自主練をしました。まるで、本番が来るとは思えないほどの緊張感で。なんかこんな時間が続くといいなぁ。

で、この時にFUNIさんのパソコンを借りてDJみたいなことをしました。ただ音出しをするだけなんですけどね。指名して曲をかけるとみんなすぐに歌い出せるんです。ノリの良さも最高でした。MCとかDJの楽しさをちょっとだけ知ることができました。

本番はいきなりきて、いきなり終わった感じ。

パブリックシアターの地域の物語は、遊んでいて楽しくて、これ作品になるのかなと疑問を持ち、なぜか本番がうまくいくスタイルなんです。この理由は今わかります。アーティスト、進行役や学芸の人たちが僕らの見ていないところで徹底的に話し合いが行われているのでしょう。パブリックシアターのワークショップ製作陣はすごいとしかいいようがありません。

本番はうちのかみさんが来ていたので、ちょっとフリースタイルに採用。もっと話を言えばよかったかな。そしてアンサーソングを歌ったグッダンと合わせて自立した女性讃歌をラップにできたらよかったなと。もっと照れずにパートナー褒めのラップもできたかなと反省。まぁ、この時点ではベストなできだったので良しとしよう。

なんかね、みんなね、本番が一番良かったんです。まじめなのみんな。練習してきた量がわかるのです。自己表現をするということにプライドを持っているんです。カッコイイのです。うちのかみさんにも感想を聞いたら「想像以上によかった!あれはいいよ!」と言ってくれました。彼女はダメなものはダメと正直に言う人なので有難いお言葉です。

あぁ、夢のような時間が終わってしまったんだな、お客さんたちも優しかったな、こんなワークショップに参加してよかった、まじよかった、ラップやってよかった。

終演後のロビーでは地域の物語で知り合った仲間たちがいました。ラップはじめに「Yo Yo ! シアタートラム10年ぶり舞台に立つ 地域の物語」みたいなことを言ったんです。その時にいた人たちは「あれは10年前の出来事だったんだなとジーンと来たみたいなんですよね」時をまたいでつながりがあるのも地域の物語の良さですね。続けることの大事さです。ありがとう世田谷パブリックシアター!

ワークショップ後にはMCダユーと世田谷線にゴトゴト揺られながら、ワークショップの振り返りを行うのが定番でした。振り返りって学びが深くなるし、新たな気づきが生まれるので好きなんです。

なんとなく今夜は、後ろ髪をひかれる思いがあり、MCバットマンみたいに缶ビールでも飲もうぜと、MCダユーのご子息が通う小学校の前で立ち飲み。もちろんビールは金色のエビス。プチ打ち上げでもあったし、ラップ、演劇やワークショップのマニアックの話に花が咲きました。

そうしたらなんとMCおたからちゃんが目の前を通り過ぎていく。なんていう偶然、なんという必然。地域の人たちとのつながりが生まれるのが地域の物語ワークショップの魅力ひとつ。俺たちの物語は終わらないぜという感じ。舞台本番は通過点であり、これからの人生にそれがどんな意味を持つのかゆっくりと考えたいよね。

進行役のMCおじさん、ラッパーのMCふにさん、パブリックシアター学芸チームMCダブルラブ、MCリネンビューティー、MCよーよー、MCバンブー。

参加者のまじよかったMC DA-you、抑圧から解放されたミューズMCグッダン、俺ことMCマサー、元気勇気木木MC Tree Tree、会社復帰できたぜMCジャルダン、お前はスターだMCお宝ちゃん、やだやだやだやだーMCスノークリスプ、だめでもいいぞCalling you MCこりんゆー、姫たる秘めたる非メタルMC LADY HOPE、若いっていいねMCたまめずら、妖怪MCのっち、気品が漂うMCシルバーロブスター、本当は良い人MC BAD↓MAN、参加できず残念MCハイナンチャーハン、その代役OZ3おっかけMCバンブー、まじよかった!

自己表現って大事ですね。この場を与えてくれた世田谷パブリックシアターよ!ありがとう!


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