話を聞けない大人たち

地域の物語ワークショップ6日目。

今日は参加者がいつもよりも少ない。

地域の物語総合プロデューサーである なるさん が来ている。

いつもとはまたちょっと違う雰囲気なのも良い。

 

今日も体ほぐしからスタート。

重力とイメージを使って体全体をほぐす。

最初は床に寝てアメーバーのようにゴロゴロ。

地面に対して体の接地面積をなるべく増やして体を動かす。

体って不思議なもので、外側に伸ばすだけでなく、内側に寄せることでリセットされる。

「寝相が悪いのは良いこと。なぜならそのことで体を調整している。」と言ったりしていることが腑に落ちる。

必要以上に骨がでている部分がちょうどひっこむ。

様々な筋肉は絶妙にストレッチされる。

感じたままに動かすことで、普段伸ばさない所も伸びていく。

いつも正しいとされているフォームとは違い野性的なストレッチにもなる。

 

進行役のたっちゃんの誘導で、この低い姿勢から、中くらいの姿勢、高い姿勢で、またゆったりと動く。

今度はイメージも使う。

例えば、右手を伸ばしていく。

さらに伸ばしていく。

空間を感じて伸ばしていく。

部屋の壁にふれるくらいに伸ばしていく。

劇場の外の空間にも伸ばしていく。

 

脳はイメージを理解する。

自分の体の外側のものも自分のものとして認識をしていく。

 

目で見ると限界を感じて、イメージが崩れてしまう。

目で見ることが脳を現実に引き戻す。

するととたんに体は縮んでいく。

実物よりも小さくなってつまらなく見えてくる。

イメージで遠くを感じて動いている時には、枠を外して自由に見えるのだ。

 

人の感じる意識は球体だ。

見ていない世界を感じることができるとその反対側の空間も自分のものになる。

そして、上からも自分を俯瞰することができる。

ゾーンやフロー状態に入ることができる。

脳って面白い。

話を元に戻します。

 

30分くらいやったのか。汗だくになる。

僕は体を感じて動かすとエネルギーを大量に使うのだ。

周りをみるとみんな風呂上がりのような気持ちが良い顔をしている。

誰かがヨガを存分にやった時と同じような状態だと言った。

まさにその通りだ。動く瞑想状態のような感覚だ。

 

この一連の動作を見ていた人の感想で「たっちゃんの指示に従わないで自由に気持ち良さそうに動いていた。それぞれの動きが面白くそれぞれが良かったし、全体的にもつながりが見えたりもした。」というようなことをおっしゃっていた。

そうだ。

みんなを見ていて思っていたことがあってそれは

「みんな話聞いてないな。」

ということ(笑)

話を聞いている途中で、自分の世界がパァーっと広がり自由に動いている人が多い。

きっと学校や社会で苦労することもあるかもしれない(笑)

それが許される場なんだ、ここは。

表現の世界はキャパが広い。それとも地域も物語だからか。

 

そして、昨日のパフォーマンスを制約を増やして行う。

5本の平行をラインを引いてその上でのパフォーマンス。

僕は動きというよりも直立不動で詩を読む。これが気に入っている(笑)

ただ、立っているだけだと人と絡めないし、参加できない。

これをできるだけ崩さずに人と出会えるか。

頭をフル回転で考え、体もフル回転で感じる。

今回のテーマは「ふたり」。

僕は「ふたり」を意識したら「ひとり」の感覚が強くなった。

でも、どこかで「つながり」を求めている自分もいる。

何かが生まれるからだ。

出会って分かれる。

その一瞬の輝きが「ふたり」の良さなのかもしれない。

 

制約からアイデアが生まれる。

それが楽しい。人間が持っている能力なのかもしれない。

制限を楽しむこともできる。

そこから何かが生まれ、自由になれるのかもしれない。

作品を鑑賞中 写真はこのダンスを映像で見る会。立ち方で誰がダンサーかわかるかも。

 

そうそう、途中で何回か輪になって話をした。

僕自身は劇場での発表でどうするか全く考えていない(笑)

でも、考えている人が多いようだ。どうするのかを。

僕はただただ楽しんでいるだけ。

まとめるのは進行役や学芸の人がなんとかするでしょう、みたいな。

ふと、思ったのはブレインストーミングと同じだ。

いろいろとアイデアをだして可能性を探る段階と、だしたアイデアを取捨選択する段階の2段階がある。

今は、アイデアをだして可能性を探る段階だと思っている。

その時のポイントは楽しむことだ。

楽しければ体がゆるみ頭も柔らかくなりアイデアが生まれやすい。

自分も他者の否定せずに肯定のエネルギーはアイデアを生み出すのだ。

 

最初から完成形をイメージしすぎると予定調和になる。

イメージと同じでどれくらい広げられるかは鍵となる。

それにはゴールをあえてみない勇気も必要なんだろう。

 

あっ宿題のメールがきた。

竜也さんより ・・・・・・・・・・
1)「ふたり」からイメージする「短い動き(振り)」を3つ考えてきてください。
具体的な動きでも、抽象的な動きでもかまいません。
次回のワークショップで、一人ずつ発表する時間を設けます。

2)前回の宿題で出していただいたアウトプットの形をかえたいという方がいらっしゃいましたら、つくりかえて次回発表していただければと思っています。
・・・・・・・・・・

そんもんできるかっ!と思いながらもきっとマジメに作っていくだろう僕(笑)


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